「遠州横須賀街道ちっちゃな文化展」とは?
下の大きな画像は、今回行った「ちっちゃな文化展」でもらったパンフレットです。結構広いですよね。A4が4ページ続いています。そして見て回れるアート作品群だけでなんと65か所!ほかにも様々なジャンルの音楽や楽器の生演奏、着物やお茶のコラボイベントなど盛りだくさんでした。
ワタクシ、元々美術館やアートイベントが好きなのですが、ある時「掛川で”ちっちゃな文化展”って面白いアートのイベントをやっているよ。ただね、毎年秋にあるんだけどいつも情報があまりなくて開催時期がわからないの」とのお話を聞きました。
これは興味深々。
あまり大々的に宣伝されていないのか、全然知りませんでした。
調べてみると2019年は10月25、26、27日の3日間で、金土日に開催されるそうです。掛川市のツイートで日程を知りました。よかったよかった、ありがとうございます。
掛川市のホームページによると、
「ちっちゃな文化展」は、(省略)古き良き町並みをそっくりそのまま美術館にしてしまおうというイベントです。
今年も全国の作家の方々の手によるバラエティ豊かな芸術作品が、町のいたるところに飾られます。
また、町内の名人たちによる技の披露を見ることもできます。
このイベントは、文化展を主催する遠州横須賀倶楽部の昭和62年から長年に渡る地道な努力と、それに賛同し応援する多くの人たちの心意気なくしては成り立ちません!
地元の方発信の地域活性化イベントの1つのようです。
近年、日本各地でトリエンナーレや芸術祭が開催されていて盛り上がっていますが、昭和62年から地域とアートを関連させた活動に注目されていたって凄くないですか!?今年の開催は第21回。自分たちの街の良さを守りつつ、新しい人にもその街を楽しんでもらう。とっても素敵な取組みですよね。大きな商業施設や新興住宅地は新しくて便利。それも街の魅力の1つだと思います。だけど、横須賀街道の地域の方のように、古い町並みを大切に愛しく感じながらアートのような新しい感性を受け入れる。そんな地域も魅力的です。もっと進めば移住したくなる人も増えるかもしれないと私は感じます。古くて不便で…それでも行ってみたいと思わせる活動、いいなぁ。
ちなみに静岡県の”ふじのくに ささえるチカラ”というサイトにちっちゃな文化展を主催する遠州横須賀倶楽部の活動の記事がありますよ。地域活性化に関するとてもいい記事です。
そして、横須賀街道は景観形成重点地区なんですって!ますます行ってみたい!
さあ、レッツゴーゴー!
街中を歩いてアートを楽しもう♪
私が行ったのはその翌日の土曜日の午前中です。
出発時点では駐車場はどこなんだろうとちょっと不安。なんとなく目星をつけて掛川の南部、横須賀城跡をナビに入れて出発しました。
詳しいアクセス方法はブログ下部「アクセス&MAP」をご覧ください。
今回は城前駐車場に車を止め、そこから街を散策しつつアートを見て楽しみます。パンフレットは駐車場の警備員の方が渡してくれました。大きな駐車場は、私が使った城前駐車場と三の丸大駐車場の2か所があり、どちらも無料です。
普段はお店だったり、会社だったりする建物がアートスペースとして貸出されているのがよくわかります。ここの建物、入っていいのかな?と思いながら進んでいると気づきました。番号の書かれたぼんぼりが玄関に立っている建物が作品を置いてある出入り自由の建物です。よかった気付いて。パンフレットに書かれているアートスペースの番号がぼんぼりの番号でした。
ちなみに、上の画像は清水邸と呼ばれるお屋敷で、複数人の作家さんの作品が置いてあります。ここに来れば一度に色々な作品を見れるし大きな邸宅とお庭も見学できます。なんだかお得な気分♪(どこも無料で見れます)他の場所はだいたい1件、1作家という感じでした。
あちこちに、絵画、彫刻、立体、写真、染物、陶磁器、民芸品、地域の方や高校生、子ども達の作品が展示されています。まさに文化祭!
お客さんは、ちらほら20~30代ぐらいの人、小さな子どもがいる家族連れもいましたが案外年齢層高めな方が多かったと思います。落ち着いた雰囲気の街並みとマッチしている感じかな。
ここは妙徳寺というお寺です。なんと、展示会場!
お邪魔しま~す。中に上がると、まぁ迫力ある絵画!
展示会場には、作品と、作家さんがほぼ常駐されています。作品について質問したり、お話したりできて楽しいです。中には、見ているお客さん同士で話しが弾んだり♪
この旅館も展示会場です。
中々、渋くてかっこいい旅館です。
写真を撮って楽しんでいる人も多かったです。
古い町並みと、渋い建築。うん、撮りたくなるよね~!
何気ない壁掛けの花瓶も、ちょっといい雰囲気で撮れそうで楽しい!
こちらは不思議な作品。
人のような、ランプのような。
ひとりひとり、光るものをもっているよ、というメッセージでしょうか?
のんびり座っている姿が、かわいいような不思議なような。
色々なことが感じられて面白い!
他にも水墨画や日本画、水彩、油彩、版画など沢山の作品がありました。
結構、掛川在住、出身のアーティストが多いのかな?
町並みとアートを楽しみながらぶ~らぶら。
野菜やお菓子、工芸品の販売、出店もたくさんあってワクワクします。
地区の中心部あたりでしょうか、三熊野神社という大きな神社ののぼりが見えてきました。
ここには広場があって、美味しそうな出店が並んでいます。
奥にはテーブルとイスの飲食スペース、そしてトイレもあって休憩するのにぴったり!
考えられてる~!
てくてく西大谷川を越えて東側へ。
栄醤油醸造に展示されている作品を見て次へ行こうとしたら…すごい行列!
なになに?なんですかこちらは!?
どうも、「吉田屋」という、大判焼き屋さんのようです。
確かにちょっと甘い匂いするかも~、いいにおい!
きっととっても美味しいんだと思いますが、人気すぎて今回は断念。
お店の雰囲気もかっこいいですよね!
次回はぜひ食べてみよう。
今回とても印象的だった作品
藤田稔さんのウッドカービング
ここからは、今回のちっちゃな文化展で特に印象的だった作品の紹介です。
歩いていると、道のかどっこに、おや、人だかりができています。
わー!べろべろの青鬼‼まるで絵本から飛び出してきたかのよう!
鈴木健仁邸で展示されている、「藤田稔さんのウッドカービング」です。
お話をお聞きすると、地元の民話をテーマに創作されているそうです。
ちょっと怖いような、でも愛嬌があって優しいような。
民話の世界観、 なんとなく伝わってきますよね。
こちらは何の妖怪かな~?
天狗のような…でも羽がある。笛も持ってる。
話を知らずに見ても、この表情を見ているとなぜかどんな場面か想像できそうな気がしてしまいます。楽しい!
こっちはお面?
福天大権現と書いてあるから、神様なのかな?
民話がどんどん気になってきます。
動物が好きなワタクシ、この木彫りのねこも可愛くて仕方なかったです。
気持ちよ~く寝ている姿、本物の猫もこんな表情しますもんね。
木彫りだけど、なんだか柔らかいような優しい雰囲気に癒されます。
高須謙吾さんの紙と言葉(掛川紙器)
お次はこちら!
晴れときどきCafeで展示されていた「高須謙吾さんの紙と言葉(掛川紙器)」です。
最初は、ん?はははのらぼ?一体何だろうと思っていましたが、とってもゆるくて面白い作品でした。紙の容器に書かれている言葉を読んで楽しみます。
ちっちゃな文化展の一番いい所は、作品の展示場所に作家さんが常駐されているところ。そしてお話できるところだと思います。ここでは「どの言葉が好きですか?」と質問されたので、探しているうちにこの作品の面白さを実感!
私が好きな言葉は「効率の悪い女」(ばーん!)
こんなシュールな感じ大好きです!
効率って言っても捉え方は人それぞれ。色々考えられて本当に楽しい!
独特な言葉の組合せと、この味のあるのほほんとした自体。
何とも言えない面白さがありませんか?
イケメンの持ちぐされ も、ふふっとなりました。
画像の左上にある
出遅れたことは心に響いたが悪いことではない。
この言葉も好きです。なんかじんわり心にしみます。
かと思っていたら、右下の言葉。
やりくりじゃなくてむりくり
うふふふ、これも好きだな~!
きっと男女問わず、年齢問わず楽しめる素敵な作品だと思いました。
佐野彰秀さんの立体造形
そして、ここも面白かったです。
芳野康広邸で展示されていた「佐野彰秀さんの立体造形」です。
とっても緻密で繊細な作品。
本物のピーナッツに見えますよね。
お話をお聞きすると、すべて着色なしで自然の木の色のみで表現された工芸だそう。
色味がぴったりすぎです。
「このピーナッツ、1つぶだけ振ると音が鳴るよ。どれか分かる?」とのことだったので、選んでふりふり。あ!ほんとだ!1つだけカラカラ言ってるのが聞こえる。でも見ただけじゃどれがそうなのか全然わかりませんでした。面白い~!
ピーナッツの作品の他にも手のひら、いや指に乗ってしまいそうな繊細な作品がたくさん。
窓際には、小さな小さなアリ達の行列。これも作品とのこと。作家さんのお話では「別の美術展ではお客さんから、『え?作品どこにあるの?』と言われて、『足元を見てください。ここにずらっと並んでいるのが作品(アリ達)なんですよ。』と言ってびっくりさせてたんだよ。」と楽しそう。ちょっとおちゃめで楽しい作家さんです。
他にもブローチが置いてありました。表には般若、裏は龍だったり、タコの裏はサザエだったり不思議でおもしろい造形が多かったです。
堀井聡子さんのペーパークラフト
雰囲気は変わりまして、こちらは村松信隆邸で展示されていた「堀井聡子さんのペーパークラフト」です。カラフルでキュートな動物や植物がたくさんいます!
近くで見ると、この緻密さ。
うろこの1枚1枚までしっかり立体的です。
色使いも可愛くて素敵だなぁと思っていましたが、可愛いだけじゃありません!
紙という平べったい素材を使ってこんなに自在に曲線や立体を表現できるんだ!
プレゼントボックスでしょうか?
小さな可愛いお花、たまりません!
お花の色使いとデザイン、素敵です。
女の人の心をつかむ作品が多かったと思います。
petit marcheさんのガラス製品
この鏡餅は山崎巌邸で展示されていた「petit marcheさんのガラス製品」です。
これは、か…かわいい!
そして毎年のお正月に活躍しそう!
ということで、ガラスの鏡餅、購入しました。
作家さん曰く「ガラスの鏡餅、旦那さんはそこまで…って感じのようですが、奥さんがこれは便利だと買っていかれる方が多かったですね~」とのこと。
分かる、分かるよその気持ち。
だってかわいい上、腐らないんだもん!とっても実用的!
今回のイチオシ掘り出し物です。
柴田美千里さんの造形
最後はこちら。一番地公園で展示されていた「柴田美千里さんの造形」です。
ピーンときましたよ。これお尻にしっぽが生えるやつだ~!
恐竜かな?ワニかな?
これはちびっ子がやるとかわいいだろうな~なんて思っていたのですが、私が行ったときは待ち時間ゼロ。ええい、オバチャンがやったるわ~!
と思って恥ずかしながら、恐竜になってきました。
係の人から「この角度で撮ると本当に生えてるっぽく撮れるのでオススメですよ。」とアドバイスいただきながら体験。楽しい!
私の姿を見た他のお客さんも興味を持ってくれたのか、次第に人が集まり始めました。
よかった、これ楽しい作品だからぜひ体験してくださ~い!と思いながら帰宅の途につきました。
ぜひアート、芸術、美術が好きな方にはおすすめのイベントです。来年も行きたいな〜!
行き方&MAP
今回、車で行ったのでちっちゃな文化展の無料駐車場を利用しました。
駐車場は2か所あり、城前駐車場と三の丸大駐車場です。画像のピンクの場所。
カーナビで「横須賀城跡」を入力して出発。ナビ通りに行くと城前駐車場の方が県道41号に隣接していて分かりやすかったのでこちらへ停めました。
朝10時時点で、だいたい4割ぐらい埋まっていたでしょうか。
ここから東へ5~10分ほど歩いていくと横須賀街道です。
41号線沿いに歩くと歩道が狭いので少し危ないですが、清水邸には近いと思います。
上の画像の矢印方向に進むと車通りも少なくて安全に歩きやすいので、どちらかというと三の丸方面に向かって歩くことをおすすめします。
画像は三の丸大駐車場の入り口なのですが、私が停めた、城前駐車場よりとっても広いです。
開催日の土日は掛川駅南口から大須賀支所まで無料シャトルバスが出ています。
こちらを利用してもいいかもしれませんね。
詳しい開催日や駐車場、シャトルバス情報は掛川市ホームページをご覧ください。
■MAP 掛川市 横須賀城 三の丸跡( 掛川市山崎1052 )